若林けんた
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メールマガジン 若林けんた

2020年6月8日

緊急事態宣言が解除されました

北海道、東京都を含む首都圏など特別警戒都道府県も緊急事態宣言が解除され、新しい生活様式の下、ウイズコロナを意識しながら、日常を少しずつ取り戻し、経済再建に取組んで行くフェーズへ本格的に移行しました。長野県では5月14日に緊急事態宣言が解除されていましたが、会社等での警戒体制は引き続き継続しているところも多く、新しいフェーズに本格的に入ったという感じがしませんでした。月が替わって、6月に入り、全国的に宣言解除となり、漸く、段々と経済再建へ歩みを進めていくようになっていくのでしょうか。

7年に一度の盛儀である善光寺御開帳(実は6年に一度開催されていますが、開催年も数えるのか、7年に一度と言っています)。2021年4,5月に開催が予定され、準備が進められていました。いつもですと全国各地へのPR活動を一年前から取組んでいるため、来年の事とは言え、活動開始を決断する時期が迫って来ていました。こうした中で、コロナウイルスの終息が見えないために開催延期を一年間延長するという報道がありました。7百万人を超えるお客様を全国から迎える地域の一大行事ですから、これに併せての店舗整備や、投資を考える方も多く影響は甚大です。一方、御開帳の行事を思い浮かべると3密になる状況は容易に想像できます。気持ちよくお客様を迎え、盛大に開催したい気持ちからの決断と受け止めたいと思います。もっとも、毎回翌年は、長野県内としては、諏訪の御柱祭があり、ゆかりの神社も各地で盛大なお祭りを催します。各地での行事が重なり大変ではありますが、両立して相乗効果を生まれる様に、皆さんで知恵を絞り取組みたいものです。

タクシー・バス事業を展開する会社を経営する友人が、「経験したことのない需要消滅という事態に廃業も一瞬頭に過った」と言っていました。それほど衝撃が大きかった。しかし、彼は、気持ちを転換して、無利子無担保資金を導入して当面の資金繰りをつけ、持続化給付金や雇用調整助成金の手続きを行い事業継続にむけて頑張っています。タクシー事業は、緊急事態宣言が解除され一部動きが出てきたようで、長野駅前の東急百貨店等の事業再開と共に50%程度まで戻してきているとの事でした。新型コロナ後の事業環境変化を見据えて、バス事業をどうして行くのか。悩みは尽きないけど、前向きに動き出しています。

飲食関係の皆さんは、テイクアウト商品に取組み、当面の苦境を乗り越えようとしていました。これを支援するため、NPO保科の郷や善光寺びんずる市を展開していた有志、長野市議会1期生有志の皆さんで「テイクアウトde屋台村」というイベントが開催されました。5月16日から三週間の週末に合計6日間Mウエーブで展開しました。多くの市内飲食店の皆さんが参加頂きました。私もお手伝いをする中で、若手長野市議の皆さんや若い経営者など交流させて頂きました。多くの皆さんが借店舗という事で、第2次補正予算で導入される家賃補助政策には大いに期待が集まっていました。一方で、雇用調整助成金などは難しくて使い勝手が悪く、検討を諦めている話を聞いたので、是非、研究して活用して欲しいとお話したところです。

山ノ内町でお世話になっている旅館経営者とお話する機会がありました。まずは、県内移動に限定されている中、地元のお客様へ力を入れて再建する。GoToキャンペーンの活用など意欲的に展望を語っていました。インバウンドが回復するには、相当の時間を有するようになるので、まずは地元、そして、19日以降、県を跨ぐ移動の制限がなくなってからは全国のお客様へ働きかける戦略を立てています。長野県は観光立県ですから、基幹産業の重要な一つである観光業はすそ野が広いだけに、今回の新型コロナウイルスによる影響は様々な業種へ伝播し地域経済にとって深刻です。しかし、こうした厳しい環境下でも、置かれている状況を冷静に分析して、前向きに対応しようと取組む経営者の姿勢に感動しました。

花農家を営む友人は、卒業式入学式、歓送迎会の繁忙期に人の動きがなくなり、結婚式やお葬式もないなどで、需要消滅に直面して大変な思いをしていました。畜産農家も生き物相手なだけに、出荷時期を調整できないという難しさを背負っています。決して、楽ではない状況の中、国の支援制度を活用して乗り越えていくと歯を食いしばって頑張る姿が印象的でした。

100年に1度のパンデミック。多くの仲間がコロナ禍の中で苦しんでいます。リーマンショックを超える景気後退があるかもしれないという一方で、元々進んでいた第4次産業革命といわれる技術革新が、コロナ禍で加速して、大きな時代の変革が起こっていこうとしています。果敢に取り組む友人や先輩、仲間を、なんとしても支えたい。心底思っています。今は議席が無く、支援策を直接創っていく立場にありませんが、現場の声を与党自民党を通じて伝えていく事は、長野1区支部長としての自分の役割です。精いっぱい努めて行きたいと思っています。

アベノマスクなんか不要だ。なにしろ未だに届かない。特別定額給付金10万円を始め支給手続きが遅すぎる。PCR検査の対象が未だに広がらない。様々なご批判があります。アベノマスクについては、マスクがなくて不安が高まっていた当初には必要だったと思いますが、緊急事態宣言解除となり市中に出回るようになっても未だ4割しか届いていないという事態は如何にも滑稽です。適時適切な政策執行が如何に大切かを思い知ります。米国が給付手続きを3週間で実現したのに比べ日本政府の対応はあまりに遅く不手際が目立ちます。電子政府推進を謳いながら、マイナンバーカード発行が15%程度に留まり、インフラが整っていない事も大きな原因。これを機会に改善を図るべきと思います。PCR検査も医療崩壊を招かず必要な患者へ医療資源を集中投入するという趣旨は理解できますが、第2次拡大へ備える現段階では大いに体制強化を図るべきです。様々なご指摘は、もっともなものも多く、真摯に耳を傾け改善するべきと思います。

しかし、コロナウイルスとの戦いは未知のものであり、予測出来ない道を切り開き政策を打ち込まなくてはならない中を驀進してきました。WHOからも評価された様に、結果として欧米諸国に比べ亡くなる人の数が少ないなど、感染拡大阻止に取組んだ第1ステージは何とかクリアしつつあると思います。冷静な評価はワイドショー等でなく、いずれ歴史が下すでしょう。第2ステージは、ウイズコロナで、ウイルスがある事を前提に、経済を回し日常を取り戻し、大きく棄損した経済体制の立て直しに邁進しなくてはなりません。財政規律などと言っている時ではありません。大胆に、政策を打ち込むとき。自信をもって進んで貰いたいと思っています。

令和2年2次補正予算は、事業規模で117兆円。第1次補正予算と合わせると233兆円という破格の大規模予算となります。事業規模という場合、財政投融資や民間融資などが含まれ、見栄えを良くするため膨らましているという批判が良くあります。真水となる財政支出は、第2次補正予算で32兆円となり、第1次補正予算と合わせると58兆円となります。これは、日本の年間GDP1割強となる規模であり、いずれにしても破格である事に変わりはありません。米国の対策費が巨額に見えますが、GDP比でみるとやはり1割程度であります。

主要なエコノミストがはじき出す予測値では、4⁻6月四半期は、戦後最悪な水準として経済成長率が年率20%を超える減少になるとなっています。四半期では5%程度。2020年1⁻3月期の名目GDPは136兆円ですので、4-6月期は5%減で129兆円。真水58兆円の経済政策のGDP引上げ効果が30%程度とみて20兆円ほどだから、緊急経済対策を行わない場合は109兆円にまでGDPは下がる事となります。もし、次の四半期である9月末まで109兆円が続くとすると失われる所得は57.9兆円。まさに、今回の第1次補正と第2次補正を合わせた真水の58兆円に匹敵します。コロナ禍が9月末まで継続し、その後経済が回復すれば、丁度、真水58兆円の財政措置の規模は適正と思います。それでも、9月以降に回復が見られない時には、更に、追加政策が求められていくでしょう。

10月にはIOCがオリンピック開催の是非を判断するとされています。11月は米国大統領選挙。コロナ禍の行方が、世界や国内政局にも、直接影響して行きます。良く見極めて行かなくてはなりません。国難の時、皆で力を合わせ、乗り越えて行きたい。その先頭に立つという気概をもって取組んで行きます。今後とも、ご指導をお願い申し上げます。

今回も最後まで、ご覧いただいて有難うございました。コロナ禍で先行きが不透明となっていますが、朝の来ない夜はありませんので、希望を胸に頑張って参ります。皆様のご健勝を祈念申し上げて、6月メールマガジンとさせて頂きます。ありがとうございました。