若林けんた
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メールマガジン 若林けんた

2020年7月3日

百年に一度の大変革の時

1.はじめに

百年に一度のパンデミック。ウイルスとの戦いは、感染拡大を阻止する第1ステージから、ウイルスがある事を前提として、新しい生活様式を受け入れながら、経済の再建に取組んで行く新たなステージへ移っています。政府も年間GDP550兆円の4割に匹敵する233兆円に及ぶ経済対策を打ち出しました。出揃うまで遅すぎるというご批判がある事は反省しなくちゃなりませんが、内容は他の先進諸国に引けを取りません。是非、一日も早く、必要とする事業者の皆さんへお届けできるように政府を挙げて取り組んで欲しいものです。

2.国際秩序創造本部

コロナ後の世界は大きく変わってゆきます。自民党では、政務調査会に国際秩序創造本部を設置してコロナ後の社会を展望する議論が始まっています。甘利座長が指摘した論点は二つ。一つは、米国と中国による世界の覇権争いが明確になり、新冷戦構造となる中で、日本の果たす役割を考えなくてはならない事。もう一つは、AIやIOTによって進んでいる第4次産業革命の中で、社会構造が変わっていく事です。政治の意志として、どういった社会を創っていくか打ち出さなくてはならない大事な時を迎えています。

3.新冷戦構造

人口13億人を抱える中国は驚異的な経済発展によって、世界第2位となる経済大国に成長しました。経済成長による成果を軍備強化につなげ、一帯一路を掲げて、世界の覇権を明確に意識しています。トランプ政権となった米国は、米国第1主義を掲げ、台頭著しい中国との厳しい貿易戦争を展開しました。巨大な消費市場を魅力に思う欧州諸国も、今回の新型コロナの対応、米中対立をみて、共産党一党支配による強権政治に距離を設けるようになっています。日本は自由と民主主義の国ですので、日米同盟を基礎に米国側に位置し、一方で日本海を隔てて隣接する中国の関係を考える必要があります。難しいかじ取りが求められています。

4.グローバリズムの先に

パックスアメリカーナの時代は、新自由主義によるグローバリズムが世界を席巻していました。日本もTPP、EUとのEPA、Rcepなど自由貿易協定に取組んだところです。しかし、コロナ禍を経験して、グローバリズム一辺倒の考え方に変化が起こります。最終的に、国民一人一人の生命財産を守るのは、国民国家であるとの認識を新たにして、国際化は進めるものの、国家として最低限必要な分野は、効率性とは一線を画し守っていく必要があると認識が広がっていきます。

5.農は国の礎なり

そうした中で、国家の意志として、食料安全保障について明確な位置づけを行い、有事の際でも飢える事のないように、万全な農業基盤の整備を行っていくべきだと思っています。「農は国の礎なり」父正俊が常に口にしていた事であり、私自身の政治活動の基にある思想でもあります。残念ながら、未だ、自給率が37%という体たらくを改善して行かなくてはなりません。しっかりと取組んで参ります

6.第4次産業革命

第4次産業革命とも言われる今日。AIやIOTによって、あらゆる産業分野が変わろうとしています。政府はSociety5.0と訴えて、新しい時代を予言しています。10年くらいはかかるだろうと思っていた変化が、コロナ禍によって壮大な社会実験が行われました。人との接触を8割削減するため、在宅勤務が余儀なくされ、リモートでの会議や講義など様々な取組がなされました。新しい世界を知って、もう時代の歯車を後ろに戻すことは出来ません。

7.新しい世界

ドイツでは、在宅勤務を労働者の権利として法制化する動きも出て来ています。多くの時間ロスを起こしながら家賃の高い都心ビルに集まる事に価値を見出さなくなった企業は、新たな試みをして、一人一人の生産性を高めていくように動いていくでしょう。こうした働き方の変化は、何処にいても様々な仕事に携われる時代の到来となり社会の在り方そのものに変化を与えます。

8.集中から分散「デジタル田園都市国家」へ

首都圏への一極集中が国家経営として大きなリスクである事がパンデミックで明らかになりました。新しい働き方を国が推進すると共に、首都圏への一極集中を真剣に見直して、全国に広がる地方へ多くの人が住み続け、地域に根づく伝統文化を大切にして継承して行く社会を創り上げたい。自らが生まれ育った地域で、仕事もしながら、生活して、子育てして、親戚や地域のお祭り、氏子のお付き合いなど取組みながら心豊かに過ごしていける人生。そうした社会を築き上げたい。その中で、北信地域の伝統文化を守り継承して行く。長野の持っているポテンシャルを引き出していく仕事を、私は行いたい。

9.私の決意

百年に一度の大きな変革の時を迎えています。政府に対して批判や文句ばかりしていても地域は良くなっていきません。私は、北信地域を代表して、政府との窓口役を果たしながら、時代を変革して、その中で、北信地域の発展のために尽くして行きたいと思います。先人が長野オリンピックを誘致し、新幹線や高速道路など敷設し、地域発展のために汗を流してきました。時代は代り、汗を流す方向は変わって来るけれど、その精神を引き継ぎ取組んで参ります。

なお、引き続き、様々なご意見やご要望がありましたら、是非、事務所メールなどご連絡頂けると幸いです。国難の時、皆さんで、一致結束して乗り越えていきましょう。