若林けんた
若林けんた

メールマガジン 若林けんた

2020年8月3日

長い梅雨が明けて夏本番となりました。

 8月に入ると同時に、長い梅雨が明けて夏本番となりました。炎天下、ブドウ畑の広がる地域を挨拶にまわっていたら、訪問先で、梅雨明け宣言が出された事を知りました。一緒に歩いてくれていた同志と共に、良い思い出になります。

 一旦は感染拡大を抑え込んだと思っていた新型コロナウイルスが、再び、活性化して猛威を振るう状況になっています。長野県でも、感染警戒レベル2に引き上げられ「新型コロナウイルス注意報」が発令されました。手洗いや消毒など気を付けて「感染しない。感染させない」と、今一度、心を引き締めなくてはならないと思っています。

 世界を観ると感染再拡大となっている国地域は7割に達しています。ロックダウンなどの強力な感染封じ込めを行い、一旦沈めた後に、経済活動の再開を行い、再拡大となっているところが多いようです。各国とも、地域など限定したスマートロックダウンを選択しているとの事でした。日本でも、東京都や大阪府など自治体毎に対応策が打ち出されました。

 感染拡大を防止するためロックダウンに取組んだ各国の4月~6月GDP経済成長率は、EUで前年同月比年率-40.3% 米国が同年率-32.0%となっており大幅な減少となっています。日本政府の統計はお盆明けにも発表されますが、民間シンクタンクの予測値などは、EUや米国と同様、過去最高の減速を予想しています。同じ政策を実行するだけの体力は残っていません。全国一律で非常事態宣言を出すのではなく、感染拡大している地域や業種など限定して対応する道を模索して行かなくてはなりません。ウイズコロナ禍で新しい日常を受け入れながら、一方で、経済を回して行く。アクセルとブレーキを踏み込みコントロールして行く難しい道を行かなくてはなりません。

政府が取組むGo Toトラベルについて、多くの批判が寄せられています。直前に東京発着分を対象外としたり、キャンセル料を巡る対応で、朝令暮改を批判する声がありました。予想を超える感染再拡大という事態に対して、こうした批判を甘んじて受け入れても、変化した状況に臨機応変に対応する事の方が正しいと思っています。

 私は、既に走り出しているGo Toトラベルですが、東京以外の大都市圏まで感染拡大している現状をみると、更に制限する地域の拡大を検討するべきではないかと思います。マイクロツーリズムという発想を星野リゾート社長が提唱していました。この理念に基づいて、まずは、各都道府県内で感染拡大をしていない地域から域内の観光を促進する政策を行い、感染拡大抑止の状況を観て、徐々に広げていくという政策に転換するべきと思います。

 新型コロナウイルスとの戦いは、日々状況が変化する中で機動的な対応が求められ、常に臨戦態勢におかれています。Go Toトラベルの見直しに限らず、東京23区や大阪の繁華街など、特定地域について事実上のロックダウンを行う等、打つべき手を早急に検討して対応して貰いたいものです。その上で、政省令で対応できるものと、法律事項として対応すべき事、今取り組むべき事と腰を落ち着けて議論するべき事を整理する必要があります。そして、早急に法律改正を要する事項があれば、早速に、臨時国会を召集して対応するべきです。政局を睨んだ与野党の駆け引きをしている場合ではありません。責任ある政治、国家運営をするため議論の推移を明確に情報開示しつつ取組むべきです。

 アベノミクスによる景気拡大期は2018年10月に終了し、2012年から71か月と戦後最長には及ばなかった事が政府の発表で明らかになりました。消費税増税時に、巷で囁かれていた景気後退期に入ったのではいう声が裏付けられた事になります。景気が下り坂に入ってから、2019年10月の消費税引上げ、台風19号災害、寡雪、そして、新型コロナウイルス感染拡大と、幾重にも押し寄せる困難に日本経済も瀕死の状況にあります。

 2020年の年率でGDP経済成長率前年比-4.5%という政府の予測も感染再拡大の影響を織り込んでいません。さらに悪化する事も懸念され、感染拡大防止と共に、追加での経済対策、一時的な消費税減税なども話題となるかもしれません。事態の推移を見守りたいと思います。

 長い梅雨が明け、今夏は猛暑となると予報されています。体調にお気を付け頂きご活躍されることを祈念申し上げます。